ポラリスひとインタビュー② 2012年4月
“どう相手に伝えるのか、それが今後の課題”
山田将史さん
大学4年の11月からポラリスでフェローシップを開始し、
4月からプログラムオフィサーとして働く。9月から企業に就職予定。
なぜ人身売買問題のNPOでのボランティアを?
大学三年生の時にアメリカのシアトルへ一年間留学したときに出会った先生のおかげで人身取引の問題について知りました。毎年60~80万人もの人が貧しい村 や地域で攫われ、アメリカに送り込まれます。利益を得るために人を騙し、売春させる行為をするという、こんな酷い現実があるのかと驚き、なんとかしないといけないと思うようになりました。留学終了後、日本で人身取引の被害者の保護や防止の啓発を行っている唯一のNPO団体 ポラリスプロジェクトジャパンを見つけ、ボランティアを始めました。
活動での将史さんの役割は?
主に事務と資金調達に関わる業務担当でやっています。事務ではメールの管理や電話の対応から、日本で起きた人身取引の事件をSNSで発信する広報の仕事まで 幅広い仕事をしています。大きな仕事から小さな仕事までしっかりと任せてもらえ、毎日が学びの場になっています! 資金調達では、主に企業や財団が公開している助成金情報を調べ、申請書を準備しています。人身取引の問題や、ポラリスについてどうやって上手にプロモート していくのかと悪戦苦闘しながらもスタッフの助言も頂きながら頑張ってやっています。
ボランティアをしていて、何にやりがいを感じましたか?
毎日の仕事でのやりがいは、いま自分がやってることは人身取引の被害者のため、日本が人身取引を無くす法体制を作るためなんだと思ってできるところです。
自分の仕事はどのように社会に影響するのだろうなどと考えることはあまりないと思うのですが、誰かのためにやることはすごいパワーを引き出し てくれると思います。その一つにNPOでボランティアをしてみるという選択肢もあるのではないでしょうか?毎日、情熱を持って働けている場でやれることに感謝しています。
ボランティアが将史さんにどんな影響を与えたと感じますか?
どのように相手に伝えれば納得してもらえ、次のステップへ繋げてもらえるのかについて考えるようになりました。まず、ポラリスに入った時、人身取引の問題を どう人に伝えていけばいいのかと悩みました。毎日活動していると、全国で様々な子どもや女性の人身取引、外国人男性の労働強制等の事件が起きていることを 知ります。一般的には、人身取引の問題を知らない方々が多く、それが全国各地で起ってるなんて想像もつかないことだと思います。まさしく僕がそうだったの で、その人の伝え方次第で興味を持ってもらうかが決まるのだと思います。どのようにこの問題を伝えて、次のアクションへと繋げてもらえるのか、それを目標 にしてこれからも一歩づつ頑張っていきたいと思います。
【2012年 4月27日掲載 ポラリスプロジェクトジャパン】
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