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人身取引にまつわる誤解

被害者のほとんどは外部との接点が少なく、地域社会からも離れていて、支配の状況から抜け出すことがとても難しいのです。

その1:人身取引とは、本人の意に反した、国境を越える強制移動のこと?
 
真実:人 身取引は「現代の奴隷制」とも言われ、強制労働や性的に搾取する目的のために人を支配下におく行為をさします。国境を越えた移動がなくても、人身取引は起こりえます。人の密入国と混同して考えられやすい問題ですが、密入国と違って、人身取引の場合は「本人の意に反した」強制力や脅迫などが必ず伴います。


その2:人身取引の被害者は外国人だけ

真実:安い労働力や性の需要のために、人びとはその国内でも取引されています。国内間で行われる人身取引規模のほうがはるかに多いという地域もあります。日本で も、性的搾取を目的とした人身取引の被害者の中には外国人だけでなく、多くの日本人女性や子どもたちも存在します。暴力や脅迫、借金などを理由に、強制的に性風俗産業等に従事させられる人々は、人身取引の被害者であるという国際的な見解があります。2000年に採択され国連の人身取引禁止議定書ならびに日本の国内法は、18歳未満の子どもを性風俗産業等で就労させることを禁止しています。



その3:性風俗産業で働く外国人の女性たち=犯罪者?

真実:性 風俗産業で、ホステスやマッサージの女性スタッフとして働く外国人に対して「不法就労者」や「不法滞在者」というネガティブなイメージだけが先行し、彼ら を犯罪者として見てしまうこともあるかもしれません。性風俗産業に従事す全ての外国人が人身取引の犠牲になっているわけではありません。しかし多くの人たちが、日本までの渡航費や日本での生活工面費として多額の手数料を課され、その上パスポートも取り上げられるなど、身動きの出来ない債務奴隷状態に陥って いるのが現状です。



その4:貧困、貧富の差が人身取引の主な原因

真実:貧困や貧富の差、雇用機会が平等でないことはなどは、一部の人々が人身取引の被害を受けやすい環境をつくる要因ではありますが、これらが人身取引の主な原因 ではありません。人身取引は、そのための高い需要がありそして多くの利益を生み出し、その上人身取引業者は取り締まられるリスクがとても低い犯罪産業で す。需要側、人身取引を斡旋する側の処罰を強化しない限り、他の要因に関係なく人身取引は存続します。人身取引の横行を、貧困や不平等のみが原因であると 考えることは、人身取引に加担している需要や人身取引業者への責任追及をそらすことになりかねません。ポラリスプロジェクトは効果的な対策として、需要国における罰則強化などのさらなる司法制度の改善が必要だと考えています。


 

 

Last Updated on Friday, 01 April 2011 17:55
 
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