ポラリス ひとインタビュー① 2012年2月
“夢はでっかく:
みんなが希望を持って生きられる社会を作る”
のぞみさん
大学:早稲田大学政経学部
なぜ人身売買問題のNPOでのボランティアを?
フィリピンでの体験がきっかけ。学校を建てるというボランティアで滞在している間に起こった衝撃的な事件がありました。
ある日たまたま出会ったフィリピン人が、私が日本人だと知るとすぐに「日本人はここに来るということはあれだろう、子どもを買いに来たのか」といってきました。私は女性だったので、その人は私が買春者ではなく、(人身売買の)ブローカーだとも思っていたようです。「(子どもがいるところに)案内するよ」といわれました。一部の日本人がフィリピンで何をしているかわかったし、日本にフィリピンの若い子達を調達するルートがあるのかと感じた経験でした。とても恥ずかしかったし、ショックでした。そこで日本にいる人身売買被害者に対して何かしたいと思い、実際に被害者支援をしているポラリスに関わるを決めました。
活動での希望さんの役割は?
小さなNPOなので、基本的にいろいろなことをしましたが、とくに私は「人身売買を知ってほしい!」という思いが強かったので、ソーシャルネットワーキングを利用した広報活動と、イレギュラーですが、定期的にやっているセミナーの企画運営をしました。大変緊張しましたが、満員の参加者の皆様がすごく議論に参加してくれて、よいイベントになりました。また、代表が行う様々な講演や研修の場での参加者へのフォローはとても刺激になりました。普段は会えないような児童福祉や女性保護の現場スタッフの皆さんとひざを突き合わせて議論するという経験もしました。
ボランティアをしていて、何にやりがいを感じましたか?
私が衝撃を受け、何とかしたいと思っているこの問題は、本当に一般の人たちにとって知られていないことに大きな壁を感じましたし、何とかしたい!と思いました。具体的に私たちの生活のどんな場所で行われているのが人身売買なのか、また性風俗などあまり語られないような産業でのことをどうやって語っていくかなど、ツイッターやFacebookでの発信も含め工夫しました!また、活動の最初に経験した、国際シンポジウムの運営では、日本政府のこの問題の対応に正直がっかりしたこともあり、その後いかにポラリスのような現場のある、草の根の活動が社会を動かす力になることが身にしみて感じました。
ボランティアが希望さんにどんな影響を与えたと感じますか?
現場にいるって、とても大切だと思いました。ボランティアでは被害者支援には関わっていませんが、ポラリスは現場で人身売買の被害者の声を聞き、現状を一番知っています。この“現場感”を私は忘れないようにしたいと思います。
これからすぐに就職先での仕事が始まりますが、そこは早いうちに経営を学ぶこともできる企業であるため、そこで自分の事業をまわすことを学び、いつかは自分の事業を立ち上げ「ソーシャルビジネス」を始めます。企業にいる時も、ソーシャルビジネスとして人身売買被害者や途上国に関わる時も、現場の声や、現場で何が起きているかを常に大事にしていこうと決意しました。(大企業ですが)現場のエキスパートとの連携を要として成績を残していきたいです。必ずそこで自分に力をつけ、夢である「みんなが希望を持って生きていける社会」のために活動につなげたいと思っています。
【2012年 2月21日掲載 ポラリスプロジェクトジャパン】
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