相談
Home 事件簿 日本-子ども 【国内・子ども】有害サイト 閲覧制限機能 京都府内利用は25%止まり
【国内・子ども】有害サイト 閲覧制限機能 京都府内利用は25%止まり
サイバー犯罪対策課の今春の新設を前に、京都府警がインターネットの利用状況を調査したところ、携帯電話でネットを見る10歳以上の未成年で、有害サイトの閲覧を制限する「フィルタリング」機能の利用率が25・3%だったことがわかった。
18歳未満が使用する携帯が対象の同機能は、内閣府の昨年9月の調査では利用率59・6%で、府警は、調査対象の違いなどから単純比較はできないものの、今回の結果が府内での同機能の浸透の低さを示すものとして重視。教育関係機関との連絡会を10日に開き、対策を協議する。
府警の調査は2~3月、府内の10~70歳代の男女に、ネットの利用状況や利用の不安など13項目を尋ね、2741人から回答を得た。
未成年は1346人(49・1%)で、93%が「ネットを利用している」とし、全体平均(87・2%)を上回った。使用機器は、主にパソコンと携帯だが、ネットを毎日利用する割合は、パソコン利用者が29・9%だったのに対し、携帯利用者は56・8%で、携帯でネットを閲覧する頻度が高いことがわかった。
そのうえで、フィルタリングについて尋ねると、「利用している」が25・3%で、「利用していない」「聞いたことがない」は計74・7%。わいせつ画像など違法・有害サイトについては37%が「見たことがある」と回答したという。
一方、内閣府の「青少年のインターネット利用環境実態調査」では、子どもが「自分専用の携帯」または「家族と一緒に使っている携帯」を持っていると回答した保護者(758人)にフィルタリング使用の有無を尋ねたところ、「使っている」「ネットが使えない機種・設定になっている」を合わせた「制限あり」は59・6%。調査方法に違いはあるものの、府警は、今回の府内の調査を受け、「府内での啓発をさらに行う必要がある」とする。
また、府警の調査では、ネット利用への不安について、「よくある」「たまにある」が全体で計57・2%なのに対し、未成年は同47・9%。ネット上のモラル・マナーについては、「かなり悪い」「少し悪い」が全体で計59・7%、未成年は55・5%と、いずれも未成年が低いとの結果が出た。
警察庁のまとめでは、昨年1年間に出会い系以外の交流サイトを使って性犯罪などの被害にあった児童は、統計を取り始めた2008年以降で最悪の1239人(前年比103人増)に上っていることもあり、府警は、摘発強化を図るとともに、10日の「インターネット・セキュリティ対策学校連絡会」では、学校教員や府、京都市の教育担当者らと、情報モラルの向上や安全・安心なネット利用環境の実現について話し合う。(雛谷優)

フィルタリング:
有害サイト規制法(2009年4月施行)で、18歳未満が使用する携帯電話につけるよう携帯事業者に義務付けられた。携帯を巡る犯罪から子どもを守る「切り札」とされたが、警察庁が昨年12月、携帯販売店1630店を対象に行った“覆面調査”では、4割が加入について不適切な説明をしていたことが判明している。

(2011年5月10日  読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/net/security/s-news/20110509-OYT8T00930.htm

Last Updated on Wednesday, 11 May 2011 09:46
 
For a World Without Slavery