4日の中国国営メディアによると、同国東部・山東(Shandong)省で、貧困家庭から乳児を買い取り、男児を最高5万元(約60万円)で売っていた人身売買組織が摘発された。
同省の当局は10月、子どもを売るために出産した他省の女性たちに金銭を支払っていた組織のメンバー15人の身柄を拘束した。組織は買い取った乳児を、子どもに恵まれない夫婦や、息子をほしがっている夫婦などに売っていた。
組織が摘発された同省鄒城(Zoucheng)市の警察によると、男児は最高5万元、女児は最高3万元(約36万円)で売られていた。
国営環球時報(Global Times)によると、当局はこれまでに乳児13人の所在を確認したが、現在もまだ4人を探している。ある捜査官は「ここで働いている出稼ぎ労働者たちは、貧しい地方からやって来ている。夫は外で働き、妻は子どもを売って金を工面している」と背景を説明した。
中国では現在、子どものいない夫婦が養子を迎える際にどこから迎えるかについての規制がなく、子どもの人身売買が盛んに行われる事態を招いている。
学者たちの多くは、政府の「一人っ子政策」に問題の原因があると非難している。また男性の後継ぎを好む家庭が多いため、一人っ子政策は男児を重んじる傾向も生み出している。
中国では近年、誘拐や人身売買に関する事件が社会的な懸念となっている。2007年には中国全土のれんが工場や鉱山で数千人が強制労働をさせられていた事件が発覚し、国民に衝撃を与えた。
さらに最近では広範囲に及ぶ誘拐がインターネット上で話題となり、警察が今年に入り摘発に乗り出したところ、7月に89人の子どもを救出する事件もあった。当時、警察は14省にまたがる子どもの人身売買に関わるふたつの「大規模な犯罪組織」の壊滅を目指し、369人を逮捕したと発表した。(c)AFP
2011年11月06日 AFP BBNews
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