|
児童ポルノをなくす国民運動を作るとして始まったこの総合対策ですが、実際に子どもたちが暴力から守られるような体制はできているのでしょうか?
ポラリスプロジェクトジャパンとしても設置時から協議会の一員として関わってきました。しかしこの対策は、単純所持を規制したりの法改正などには言及しておらず、私たちは団体として以下のコメントを提出させていただきました。
NPO法人ポラリスプロジェクトジャパン提出のパブリックコメント:
児童ポルノ対策案に関して、5点ほど意見を述べさせていただきます。
①青少年が安全にインターネットを利用できる環境を整備するために、幾つか対策が挙げられていますが、子どもたちがどんな脆弱性を持ち被害にあうのか、また、その脆弱性をカバーするためにこれらの対策がどういう効果が期待できるのか具体的な説明が必要かと思います。また、児童ポルノの被害者は必ずしもインターネットを介して加害者に出会うわけでなく、知り合いが加害者になることも多々あります。予防策を取る際は、これらの点に関しても考慮すべきだと思います。
②学校や家庭における情報モラル教育を充実させることはインターネットが普及した現代において非常に重要であると考えます。しかし、児童に情報モラルがあれば犯罪を予防できるという考え方は、児童ポルノの被害者らは情報モラルに欠けている、すなわち児童側に問題があると捉えられます。児童ポルノ対策はあくまで子どもたちを守るために社会全体のモラルを向上することが責務であり、その部分の対策が不十分と感じます。子どもたちに責任を押し付けることはあってはならないです。
③被害児童に対する心のケアの充実は、被害児童が被害から回復するために最も必要なものであり、子どもの身近にいる学校教諭などの大人たちを子どもへの適切なケアができる人材に育成することは非常に素晴らしいと思います。ここに補足できるのであれば、子どもたちには心のケアを受けられるだけでなく、その先にもまた様々な選択肢があるということを伝えられるように体制が整えられると更に良いと思います。被害児童だけでなくその保護者などに、被害者には民事訴訟を起こす権利があることを教える必要もあります。加害者に社会的制裁を与えることが被害者が被害から回復するきっかけになることもあるので、このような選択肢を被害者の権利として提示することも非常に重要です。
④ブロッキングについて、インターネット利用者の表現の自由に配慮するべきという記述がありましたが、児童ポルノは子どもへの虐待の記録で有害なものです。表現の自由の限界も認めないといけないと考えます。
⑤最後に、児童ポルノ事犯の取締りを強化するためには、児童ポルノの単純所持を処罰すべく、法改正を推進する必要があります。現行法の改正が多くの子どもたちを救えます。同時に、都道府県のより厳しい児童ポルノ禁止条令を制定を推進すべきだと考えます。
|